キングダム 名場面振り返り 「どうかご武運を」

キングダムが大好きなのでその名場面を切り取って紹介できればと思います。

登場人物の説明等は仕切れないと思うのでキングダムを一度は読んだことが

ある方向けの記事になると思います。

 

今回の名場面は30巻の327話『政の決断』に出てくるワンシーンになります。

秦国のピンチ

主人公の属する国は秦という国で、この巻では合従軍という秦以外の国の

六国が手を組み、秦を滅ぼそうと攻め込んで来ていました。

合従軍の各国は代表となる将軍を率いて秦に乗り込んで来ましたが、

秦は秦で名だたる将軍を集めまさに総力戦でこれに対抗していました。

各将軍の働きもあり、敵が決定打を打とうとしてきましたが、

秦の蒙武将軍が大国楚の大将軍・汗明を打ち破るなどし、これを跳ね除けます。

ただ、合従軍を指揮する趙の宰相・李牧は中華史上最大の敵と言われるほど

武・知ともに兼ね備えており、秦を討ち滅ぼす為にもう一つの手を打っていました。

それが本隊とは違った場所に配置されていた別働隊です。

別働隊の規模は4万ほどで、決して多くはありませんでしたが、秦は

合従軍本体を相手にするのに持てる力の全てを尽くしており、これに

完璧に対応することはできませんでした。

その危機が秦の首都咸陽に迫る中、別働隊の存在に気づいた主人公の信を含む隊が

これと対峙します。

ただ、そこでも別働隊とともに行動をしている龐煖(ほうけん)により

信とともに行動していた秦を代表する将軍の一人である麃公(ひょうこう)将軍が

討ち取られてしまいます。

それにより信たちは別働隊を止めるすべを失ってしまいました。

蕞での役目

別働隊に対抗する手段がなくなった秦の文官たちの間では

「もうどうすることも出来ない」

という雰囲気が漂います。

秦の総司令である昌平君でさえ、はっきりと口に出し「打つ手がなくなりました」と

大王に伝えています。

そんな中、大王である政は一つの案が思い浮かびます。

それは蕞の住民に戦ってもらうことです。

蕞というのは、咸陽の鼻先にある城で、咸陽から川を超えた位置に存在しています。

この城を落とさないで李牧率いる別働隊が咸陽に迫った場合には、別働隊は

咸陽と蕞に挟まれるかたちになり、不利な戦況になるため、

必ず蕞を落としてから咸陽に攻め込んで来ます。

城としてそんな役割がある蕞で大王は別働隊の動きを止めようと考えました。

ただし、先ほども述べたよう秦国は総力戦で合従軍に対峙しています。

もちろん蕞からも兵は徴兵されています。そのため、蕞に残っているのは

女性や子供、老人が多くまた若い男性も怪我をしているため、

当然蕞の住民からしても勝てるはずがないと思い込んでしまう。

住民のその考えを取り除き、『秦を守るために戦う』という士気を

高める必要があり、それには大将軍級の鼓舞が求められます。

そこで大王政が立ち上がります。

大王政の役割はまさに『秦を守るために戦う』意志を蕞の住民に持たせることです。

渾身の願い

蕞の住民に鼓舞するために、大王自らも死地である蕞に乗り込む必要がありました。

そのため、政の子を孕んでいる宮女・向がいる咸陽を離れることになります。

離れる前に政は向に会い、言葉告げます。

政:「勝利するまで後宮には来れぬ」

 

政のその言葉には力強さを感じられなかった向は

「どうせ死ぬなら一緒にいたい」

「最後は一緒にいたい」

という想いをいだき、大王様の気を少しでも向かせる為に、

「お腹が膨らんできているんです」

などの、言葉を発します。

しかし、最後には大王様と一緒にいたいという強い気持ちを

抑えて向が政に向けた言葉は拳と掌を合わせながら

「どうかご武運を」

 

政が「ああ、行ってくる」と答え扉から出ると我慢していた想いが溢れ出し

一気に泣き崩れました。

感想

まだ若くして大王の子を孕り、大王への好意を抱いている宮女が

自分の「とにかく一緒にいたい」という気持ちを抑えて、大王様の

この先の戦場での武運の祈りを伝える為の

「どうかご武運を」

なんとも切なく、辛く、そして抜群にかっこいいシーンでした。

 

キングダム 30 (ヤングジャンプコミックス)

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